2008年にスタートした爆音映画祭は、2004年5月から断続的にオールナイトおよびレイト 開催されてきた「爆音上映企画イヴェント」を拡大し、映画だけでなくライヴ演奏や、 映画と音を巡る講演などさまざまな角度から映画と音を見ていく、聴いていく催しです。   爆音上映とは、通常の映画用の音響セッティングではなく、 音楽ライヴ用の音響セッティングをフルに使い、ボリュームも限界まで 上げ大音響の中で映画を見・聴く試みです。   一般劇場上映では聴くことの出来ない迫力と、その爆音によって 視覚までもが変容して映画そのものも違って見えるトリップ感覚、 そしてまた、大音響でなければ聞こえてこない幽かな音を聴くという、 大胆かつ繊細な上映となります。
もちろん「爆音」とは言っても音を大きくするだけではありません。 その映画にとって最適な音とは何か、その音があることによって映画が違って 見えてくるそれぞれの映画における音の核心はどこにあるのか? そんな映画におけるベストな音の探求こそ、爆音上映の醍醐味です。 映画にとっての最良の音、最適な音が爆音映画祭にはあります。   その大音響の中で、かつて見たことのある映画がまったく 新しい映画として蘇ってくる、いわば〈映画の再生〉の瞬間に立ち会える喜びを、 多くの人と分かち合いたいと考えます。   映画の本質である映像と音を効果的に活かした作品を幅広く選択し、 観客の皆さんとともに考える場として、世界中を見渡しても他に例を見ない映画祭といえると思います。