音が劇場を変える
マルホランド・ドライブ
 上映日時:5/31(日) 15:40 , 6/9(火) 21:00

(C) 2001 STUDIO CANAL/A CO-PRODUCTION OF LES
FILMS ARAIN SARDE, STUDIO CANAL, PICTURE FACTORY
2001年/146分/アメリカ
提供:カルチュア・パブリッシャーズ
監督・脚本:デヴィッド・リンチ
撮影:ピーター・デミング
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
出演:ナオミ・ワッツ、ローラ・エレナ・ハリング ほか
リンチの映画に常にあるのが、こことここに似たどこかというふたつの世界。そのふたつの世界を結ぶのが「マルホランド・ドライブ」というわけだ。そこでは通常の会話でさえ、どこかに秘密が隠されているかのような、奇妙なふくらみを持つ。それはふたつの世界に通じる声? すべての音がどちらの世界で発せられ、どちらの世界で聞こえているのか謎のまま、その音は劇場全体を変容させる。いや、劇場を「別の世界」へと変容させる装置として、この映画の音はある。圧巻は、「泣き女」と呼ばれる女の歌のシーン。バウスシアター全体からその歌が聞こえてくる。一体私たちはどこにいて何を見ているのか、もはや判断不能。呆然としたままスクリーンを見つめることになるだろう。