アテネ・フランセ文化センター共催イベント(レクチャー&上映)  音を巡る映画史
放蕩息子の帰還/辱められた人々
 上映日時:6/2(火) 18:15 
上映前に、青山真治&黒沢清によるレクチャーあり(約80分)
2003年/64分/フランス、ドイツ、イタリア
提供:アテネ・フランセ文化センター
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
撮影:レナート・ベルタ
『労働者たち、農民たち』の挿話を再利用した「放蕩息子の帰還」と、その後日譚「辱められた人々」の二部構成。
「へとへとになりつつも、見逃していた『放蕩息子の帰還/辱められた人々』を見にアテネへ行く。冒頭のクレジット(「49年カンヌ映画祭音楽大賞」って書いてあったような気がしたが、どういうことだろう?)からエドガー・ヴァレーズとクレジットの出た音楽がモノラルで、続くクレジットと白画面にがんがん流れている間、ああ、もう3db上げてくれ、と祈らないでいられようか。肝心の本篇のほうもいつもどおり強靭かつリアルなイタリア語と森の小鳥やら風やらが鳴り渡る。これを爆音でやるとどうなることやら。ポン寄りするたびに胸がキュン!と締めつけられるし、最初はまるでアンゲロプロスみたいな話だな、と思っていたら進むに連れてどんどんあの偉大なる『シャイアン』を髣髴とさせてくるし、途中でいちいち手を挙げて発言したがるおじいさんはフランシス・フォードみたい(いつ痰吐くかと気が気でなく)で笑えるしで、盛り上がりまくり、舞い上がりまくり。ホント、マジ超メッサかっちょえーですわ!そいでもって決して忘れられぬラストショット。……嗚呼!エンドクレジットのピンクの走り書きに思わず、そうだ、とあらためて溜息が洩れました。」
青山真治(ネット日記「MINER LEAGUE」2008年12月9日より)