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『AKIRA』
1988年/124分/日本/35mm/監督:大友克洋/声の出演:岩田光央、佐々木望
破壊と創造の、死と誕生のコントラストが鮮明に力強く響く。 2020年東京オリンピック開催の風景を幻視する、ネオトーキョー2019年の音。
 
『スチームボーイ』
2003年/126分/日本/35mm/監督:大友克洋/声の出演:鈴木杏、小西真奈美
18世紀半ば、ワットが開発した新方式の蒸気機関に込められた夢と希望。今なお未来であり続けるその「蒸気機関」の音が、 2014年に鳴り響く。それはどんな未来を見せてくれるだろう?


エストニアのみならず世界のアニメーション史に君臨するプリート・パルンの代表作を、初の爆音上映。公私にわたる新たなパートナー、 オリガ・パルンとの共同監督作品『ガブリエラ・フェッリなしの人生』『雨のダイバー』は、セリフの排された静寂の音響空間に、 官能的かつ破壊的なサウンドトラックが稲妻のように侵入し、別離の物語のテンションを高めます。エストニア独立後に発表された 『ホテルE』は、いつまでも冒頭だけを繰り返すベートーヴェン「第九」をベースとする音響が、来たるべき「バラ色」の市場経済社会への期待と、 悲惨な末路を同時に予感させます。アニメーション界のゴダールと呼ばれることもある彼の作品の爆音は、作品に内包される複層性を可聴化します。
『ホテルE』Hotel E
1991年/29分
人々を分け隔てる壁には、ドアが必ずあるものだ。そのドアは隔てられたものをつなげる。 ヴィクトルはそのドアを見つけた。顔も名前もないヴィクトルには、行く準備が出来ている。 あらゆる出立は到着でもある。だが、あらゆる到着は、帰還ではない。 ヴィクトルが始めてしまったのは危険なゲームなのだ。
 
『ガブリエラ・フェッリなしの人生』Life without Gabriella Ferri
2008年/44分/共同監督:オリガ・パルン
愛、閉じたドア、目障りな泥棒、傷ついたコウノトリ、失われたノートパソコン、ヴァーチャル娼婦オーケイ・シスターズ… そういったものについてのドラマティックな物語。ガブリエラ・フェッリは見つからないが、ハッピーエンドのようなものは迎える。
『雨のダイバー』Divers in the Rain
2010年/23分/共同監督:オリガ・パルン
昼のダイバーと夜の歯医者の物語。二人のキスはいつもお別れのキス。男はダイバーなので潜水せねばならない。 女は仕事に疲れ眠らねばならないが、しかし夢に静かな場所はない。客船は雨のなかゆっくりと沈んでいく。最後のタバコの時間を誰も分からない。
   


『アナザー』
ショーン・バッケリュー監督、2013年、アメリカ、17分
牧歌的な家族の暮らしは熊の突如の乱入と父親の殺害によって妨げられる。熊は勝利の証として父親の座に着くのだが、 それは新たな家族のダイナミズムを生み、熊にとっても思いもよらぬ方向へと事態は進んでいく。『コンシューミング・スピリッツ』のクリス・サリバンの愛弟子が語る、もう一つのアメリカ郊外の物語。
 
『リジェクテッド』
ドン・ハーツフェルト監督、2000年、アメリカ、9分
「1999年の春、家庭学習チャンネルがドン・ハーツフェルトに宣言映像を依頼する。アニメーションは5週間で仕上がったが、家庭学習チャンネルはすぐさまそれを拒絶し、 決してオンエアされることはなかった……」アメリカで絶大なるカルト的人気となったこの伝説の短編作品は、広告業界の空虚なロジックに空虚なままで対抗し、完膚なきまでにそれを破壊する。
『スナック・アンド・ドリンク』
ボブ・サビストン監督、1999年、アメリカ、4分
自閉症児ライアン・パワーと行く、愉快なコンビニツアー。消費社会のただ中にいるライアンにとって、コンビニやレンタルビデオ屋は輝かしい場所なのだ。 『ウェイキング・ライフ』『スキャナー・ダークリー』へとつながるデジタルソフト「ロトショップ」が生み出す変容のイメージは、つまらない日常世界を彩りなおす。
 
『mobile』
ケイレブ・ウッド監督、2013年、アメリカ、2分
現在、アメリカのインディペンデント・シーンで最も輝く若手のひとりケイレブ・ウッド。フォトショップを使って一週間で仕上げられたこの作品は、デジタル時代特有の崇高かつ親密な光の表現が輝く佳作。
『YIELD』
ケイレブ・ウッド監督、2013年、アメリカ、2分
ロードキル、車にはねられた動物の死体。ケイレブ・ウッドはこの作品のために何時間も何時間も車を走らせ、ロードキルたちを見つければ撮影し、 出来あがったのがこの作品である。自然と都会の境界線にあるものを探求するウッドによる、動物たちへの鎮魂歌。
 
『TOTEM』
ケイレブ・ウッド監督、2014年、アメリカ、2分
想像のなかで世界は有機的に生成し、アニメーション化された樹形図を形成する。
『ストレンジ・ワンダフル』
ステファニー・スワート監督、2013年、アメリカ、5分
小さなモンスターが学校へと向かう。「私がいないとき、みんなは私をカタツムリ女と言うんだろうな」と彼女は考える。彼女は孤独で、でも幸せにもなれる。
 
『ボリス』
ダニエル・ランドクイスト、2009年、4分
タイコを叩くのが大好きなボリス。その音で村人の気は狂いそう。でも誰も彼を止められない。村人たちが最終手段を選ぶとき、 ボリスはいかに抵抗するのか? アメリカ人にしか作れない極端なメタモルフォーゼが語る、アグリーでファニーな物語。非常に残酷だが、軽やかで気持ちがよい。
『ディズ・メイクス・パーフェクト・センス』
ダニエル・ランドクイスト、2007年、3分
ナンセンスに思える? いや、完全に理にかなっている。
 
『リザード・オブ・オズ』
ヴィンス・コリンズ監督、2013年、アメリカ、3分
『アニメーション・スクール・ドロップアウト』
ヴィンス・コリンズ監督、2014年、アメリカ、2分
『アブサン・キャデラック』
ヴィンス・コリンズ監督、2012年、アメリカ、3分
アメリカ西海岸が生んだ最後の巨人ヴィンス・コリンズ。1970年代からサイケなドローイングのセル・アニメーションで活躍しつづけた彼が現在選ぶのは3DCG…… 徹底的なパロディーと信じがたいようなビジュアルで攻めつづけるアニメーション作品たち。
『イカロスの失墜の風景』
クリス・サリバン監督、1992年、アメリカ、23分
ブリューゲルの同名の絵で、イカロスは誰にも気づかれぬままに失墜する。年老いた司祭レイの元に集まる人は少なく、彼の状況の悪化は誰にも気づかれない。 レイはバーで聖歌を歌うことに慰めを見出す。そこでは悪魔たちは彼を苦しめない。そこは彼の新たなサンクチュアリなのだ。胸を引き裂くようなピアノの奏でられるこの作品は、 『コンシューミング・スピリッツ』の前日譚とも言えるようなものである。
   


『このマンガはお前の脳をダメにする』
ブルース・ビックフォード監督、2008年、アメリカ、5分
クスリで雑然とした心が我に返ろうと、神秘的な灯台と幼年期の記憶に導かれていく…… かつてフランク・ザッパのお抱えアニメーターだった伝説の存在から届いた解体と生成譚。粘土だけじゃなく線画でも凄まじい。
 
『モンスターロード』
ブレット・イングラム監督、2004年、アメリカ、80分
フランク・ザッパのお抱えアニメーターとして伝説化するクレイ・アニメーション作家ブルース・ビックフォードについてのこのドキュメンタリーは、シアトルの山奥に隠り、痴呆症の父 親の看護をしながら、誰に見せるわけでもなく日々淡々と撮影を続ける彼の姿を追う。その背後に見えてくるのは、戦後アメリカの破れた夢の残骸。
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